ほうれい線やマリオネットライン、二重アゴなどを引き起こす「顔のたるみ」。症状は違えど顔のたるみが原因のお悩みは少なくありません。
顔のたるみやシワは加齢によるものもありますが、「姿勢」にも大きく関係していることをご存知でしょうか?
特に猫背はたるみやシワに悪影響を及ぼします。デスクワークなど長時間座り仕事をする女性は猫背になりやすく、近年では若い女性でも猫背の人が増えてきています。
猫背を解消して、姿勢もお肌も若々しい女性を目指しましょう。
今回は、顔のたるみと猫背の関係、猫背解消法を紹介します。
猫背は見た目も美しくありませんので、これを機に直してみてはいかがでしょうか。
顔のたるみと猫背の関係性
顔のたるみは加齢や紫外線など、自然に暮らす内に生じます。これらは皮膚の細胞が弱ることで肌のハリを失い、重力に負けることで生まれるたるみ。
一方で、姿勢の悪さも顔のたるみに直結します。悪い姿勢は顔の皮膚に自ら負担をかけ、薄い筋肉の幕である筋膜を伸ばしてしまいます。
筋膜は通常、筋肉の真上にある「深筋膜」と真皮の下に位置する「浅筋膜」から成り立っています。しかし、顔の筋肉にはほかの部分と違い、筋肉がすべり移動することを助ける「浅筋膜」という部位がありません。
そのため深筋膜の動きがそのまま顔に現れます。顔のたるみは筋肉そのもののたるみに反映されてしまう訳です。
猫背が日常的になってくると、頬のたるみが定着し老けた印象の表情になってしまいます。
猫背で顔のたるみが生じるメカニズム
長時間のデスクワークを続けると、徐々に前かがみになり猫背になってしまいます。猫背になると、背骨が曲がりアゴを突き出した姿勢に。
アゴを突き出した姿勢というのは、首から背中へとつながる筋肉「僧帽筋」が常に縮んだ状態になり、僧帽筋の上にある「後頭筋」や「帽状腱膜」が後頭部に向かって引っ張られます。
結果として、首の前面は引っ張る力、首の後面は縮む力がかかり続けることになり、首につながる顔の筋肉群が下へ引っ張られます。首は凝り、顔の皮膚は常に引っ張られた状態に。
この引っ張る負荷が続くと、下に向かって皮膚が伸ばされ、顔の下半分がたるんでしまうのです。
また、口元の締まりがなくなり気を抜くと口がうっすら開いている、なんてことも。猫背は顔のたるみと筋肉の凝り、両方の原因になってしまうのです。
正しい姿勢を知ろう!
“正しい姿勢”と聞くと、一本の棒のように背筋をピシッと伸ばす姿勢を思い浮かべませんか?背骨はもともとS字カーブを描く形なので、全てを真っすぐにする必要はあありません。
真っすぐに背筋をビシッと伸ばした姿勢は「反り腰」と呼ばれ、背骨に負担をかけます。正しい姿勢というのは大変で疲れるものではなく、体にとって自然で維持しやすい姿勢なのです。
以下のやり方で正しい姿勢かどうか確認してみましょう。
1.壁に全身をつける
壁に背を向け、全身を壁につけてみましょう。この時、どの部分が壁についているか、離れているかで体にゆがみがあるかどうか分かります。
2.正しい姿勢と照らし合わせる
壁に体をつけた状態で、横から写真を撮ってみましょう。
正しい姿勢なら
・後頭部
・肩甲骨
・おしり
・ふくらはぎ
・かかと
5か所が壁に接します。おしりの上のウエスト部分は手のひら1-2枚分隙間が空きます。
加えて、
・頭部
・肩
・両腕の手先
・くるぶし
これらが一直線上にあるのが正しい姿勢です。
肩から背中にかけて丸まっていたり、アゴが前に突き出していれば猫背です。慢性的な肩こりや頬杖をつく方が楽になる、という人も猫背の可能性があります。
猫背改善のエクササイズ・ストレッチ
猫背は治すことができます。猫背の矯正にぴったりなエクササイズやストレッチを紹介します。
僧帽筋をほぐすエクササイズ
1.座った状態で両腕を前に伸ばす
2.両腕の高さを変えずに肘を思い切り後ろに引く
3.手先を真上に向ける
肩甲骨を中央に寄せるイメージで、それぞれ5秒ずつ行いましょう。首周りや肩甲骨周りの筋肉がほぐれて「胸を張る」感覚が分かります。
上半身が開いて気分のリフレッシュにもなりますよ。
猫背リセットストレッチ
四つん這いの状態でお腹を思い切り引き上げ、背中をぐっと丸めます。
次に背中を落として反らし、肩甲骨も一緒に落とします。
入浴後など、体がほぐれている時に行いましょう。毎日続けることで内向きに丸まった肩を広げて、正しい姿勢を体に覚えさせることができます。
椅子にクッションを挟む
お仕事がデスクワークの人は、長時間椅子に座っています。椅子が体に合っていなかったり、パソコンとの距離が遠い場合は猫背になりがち。
腰の後ろにクッションを置いてみましょう。腰の位置が定まり、不自然な姿勢になることなく楽に座ることができます。