産後にあらわれる体の変化の一つに、産後湿疹というものがあります。突然あらわれるため、原因が分からず戸惑う方も多いと思いますので、今回は産後湿疹について詳しくご紹介していきたいと思います。
産後湿疹の症状や原因を詳しく知り、早急に対処できるように妊娠中から心得ておくことが大切ですよ。
産後湿疹の症状
産後湿疹の症状として一番強くあらわれるのが、かゆみです。その状態は、赤みや水疱ができる場合もあり、とても強いかゆみを伴うのが特徴です。
また、水疱などができ、肌が炎症を起こしてただれることもありますが、乾燥してアトピーのような症状があらわれる場合もあります。
産後湿疹は、産前は敏感肌でなかった方でも症状があらわれる場合もあり、誰しもがかかる恐れのある皮ふ炎といえるのです。
産後湿疹の原因は？
産後湿疹の原因は、おもに出産による免疫力の低下や、ホルモンバランスの乱れが原因と考えられます。
体への負担・免疫力の低下
女性は、出産することによる子宮へのダメージや、出産時の体力消耗により、元の体の状態に戻るのに最低１ヵ月という時間が必要となります。その間も、赤ちゃんのお世話に体力を要するため、かなり疲れが蓄積された状態が続いてしまうのです。
免疫力が低下することで、肌のバリア機能も低下し、ささいな刺激にも敏感になってしまうのです。そのため、紫外線や衣類との摩擦など、出産前はあまり気にしていなかったささいなことでも産後湿疹の原因とまねいてしまいます。
ホルモンバランスの大きな乱れ
ホルモンバランスを整えることは、肌を健やかに保つためにとても大切なことですが、出産後は大きくバランスが崩れることがあります。出産によるホルモンバランスの乱れは、体力の回復よりも時間がかかり、半年程度は不安定な期間が続くことが多いようです。
ホルモンのバランスが乱れることは、出産に関係なく肌荒れを引き起こす大きな原因であるため、産後湿疹の原因とも深く関係しているといえるでしょう。
ただ、産後湿疹は、必ずすべての人にあらわれるものではありません。
産後湿疹ができた時のケア
産後湿疹ができた時のケア方法としては、皮ふ科にてかゆみを抑える薬を処方してもらうことが一番効果的ですが、自宅でも気をつけることがいくつかあります。
１．かかない
かゆみを抑える薬を処方してもらっても、すぐにかゆみがおさまらない可能性もあります。しかし、そこでかいてしまっては、産後湿疹は改善しません。
かいて肌を傷つけてしまうことは、雑菌を繁殖させ、感染症の原因にもなります。かゆみを慢性化させないためにも、かゆみが酷くておさまらない場合はすぐに皮膚科にて相談して下さい。
２．免疫力アップ
産後湿疹の原因の一つは、免疫力が低下してしまうことにあります。すぐに元の体内バランスに戻すことは難しいですが、食事内容などで免疫力をアップさせることで、改善を早めることができます。
特に、ビタミン類は積極的に摂取し、体を内側から温めるよう、お散歩がてらウォーキングをすることもおすすめです。運動による筋力のアップは、免疫力の向上効果が期待できます。ただ、弱っている状態なので、マスクを着用するなどして風邪などのウィルス感染を防ぎ、温かい格好で出かけるようにして下さいね。
３．自分の体も大切に
産後湿疹の症状がひどい場合、母乳に影響を及ぼす内服薬を使用しなければおさまらない可能性もあります。母乳で育てることは大切なことですが、自分の体を大切にしてあげることも赤ちゃんの健康を守ることと同じくらい大切なことです。
かゆみや辛い湿疹がおさまらず、我慢して母乳を与えることで、ストレスが溜まり、肌環境を余計に悪化させてしまうこともあります。赤ちゃんを第一に考えることはもちろんですが、無理はせず、医師に相談しながら、改善していくようにして下さいね。
４．一人で抱え込まない
出産後、夜泣きなどで睡眠がとれず、産後湿疹が悪化してしまうことがあります。赤ちゃんは、あなた一人だけで育てなければいけないわけではありません。パートナーがいらっしゃる方は、協力し合いながら、たまにはゆっくり休ませてもらうことも大切です。
もちろん、シングルマザーの方も、ご両親に頼るなど、自分一人で抱え込まないようにして下さい。お母さんの精神状態は、子育てに影響します。良質な睡眠をとる時間を作れるよう、周囲に助けを求めることを忘れないようにして下さいね。
産後の体の変化について
産後は、元の体型に戻さなければとダイエットに励む女性が多いのですが、産後の体は子供を産む前の体とは違います。元の状態に戻るまでに、時間がかかるということだけは覚えておくようにしましょう。
産後湿疹だけでなく、無理をすることでさまざまな不調があらわれる可能性があります。少しでも早く回復するためには、バランスよく食事をとり、適度な運動を心掛けながら精神的にもリラックスした状態を作るように心がけて下さいね。
